【マーケティング】顧客心理に基づくマーケティング手法「バンドワゴン効果」

  • 2024/02/10
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

恒例の「顧客心理に基づくマーケティング手法」、今回は「バンドワゴン効果」について。

これは様々なシーンで用いられる手法でもあり、日本人の人種からすると効果的な作戦とも言えるかもしれません。

実は既に結構実践しておられることもあるかもしれませんので、改めて見ていきたいと思います。

バンドワゴン効果とは

皆さんは何かの選択を迫られた時に、「他の皆が選んでいるから」という心理である一方を選んだりすることってありませんか?

これは特に日本人にありがちな考え方かもしれませんが、「集団心理に関連する効果」とも言われます。

つまり、「ある一方の選択肢を選ぶ人が多いときに、思わずそちらを選択してしまう」という行動心理が働くという考え方です。

ラーメン屋の店の前に大行列のお客さんが長時間もかけて並んでいると、「この店はそんなに美味しい店なのか?!」と勝手に錯覚してしまいますよね。(実際美味しいから並んでるんでしょうけど)

それだけ人間は、何かの意思決定をする際において、多くの人はどうしているのか?につられてしまう心理をもっているということです。

マーケティングにおけるバンドワゴン効果

これはマーケティングの領域は大いに活用されています。

本屋さんのPOPに、「500万人の人が手に取ってます」と書かれると、勝手に目が行くもの。

最近よくあるプロモーションとして「3秒に1個売れています」なども、消費者からすると「世の中の人達はそんなにその商品を購入しているのか!」という心理に陥ることでしょう。

これは、消費者からの口コミも同じです。

スタバやタリーズといった「映え」を狙ったコーヒーショップでは、消費者がSNSに写真を多く掲載し、オシャレな印象を発信しまくってますよね。

これは、店員が自ら宣伝せずに、勝手に顧客が「これは良い!」と多々宣伝してくれており、見る側としては興味をそそることに繋がる作戦です。

店員が発信するより顧客から発信された方が信憑性が上がる、という心理に輪をかけて、集団からの発信というバンドワゴン効果を掛け合わせた作戦とも言えるでしょう。

様々なマーケティングの心理作戦がありますが、これは比較的一般的に用いられていますね。

バンドワゴン効果を狙った事例

バンドワゴン効果というのは、要は「みんながそこに興味を示している」という心理状態にもっていくことから始まるモノです。

「皆が買っています!」と宣伝することももちろんですが、スーパーであえて山積みにしている商品をスカスカにして陳列しておいて、あたかも売れていると思わせるのも一つの作戦でしょう。

クラウド系のマッチングサイトとして、ランサーズという企業がありますが、ここのHPでは「現在マッチング数○○人」というような表記もしており、これが莫大な数値でそのインパクトを表現しています。

「年間売上10年間トップ」という表記もよくある話。

それだけ、人間は「集団」に対して追随してしまう心理を持っているということです。

製薬業界で出てくる事例

製薬業界では、従来申し上げてます通りプロモーションガイドラインというものがあり、「今年も世界一の売上でした」というような表現は厳粛に禁じられています。

しかし、医師は安心感を求めて「周囲の先生たちは使ってるの?」「この地区の先生たちの評判はどうなの?」というように、「大衆」の評判を気にしたりします。

定性的なエビデンスですので、近場の先生が良いといってるから使ってください、というのはあまり科学的ではないでしょうが、結構医師はこういった評価や評判に興味を示していた印象があります。

本来は、しっかりとした科学的エビデンスに基づいて評価してもらうことが前提ですが、医療従事者にもやはり意思決定の中で「集団はどうなのか?」というのをひとつの判断指標にしていることは間違いないということですね。

最後に

実はバンドワゴン効果は逆効果もあることも頭に入れておきましょう。

ラーメン屋の行列を見て「並んでまで食べたいとは思わない」という考えを持つ人も多数いるもの。

何事もほどほどがちょうどよいんでしょうかね・・・。

私も若干ひねくれてるのか、人気があればあるほど疑い深い目で見てしまうという癖があります。

世の中にはいろんな人種がいますからね。。。


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