【マーケティング】顧客心理に基づくマーケティング手法「ザイオンス効果」

  • 2024/02/11
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

皆さんは「いつもくる営業マン」と「飛び込み営業マン」とどちらに安心感がありますか?

又は、「いつもやりとりしてる人からのDM」と「突然見知らぬ人からのDM」と、どちらに信頼感がありますか?

実はここには「ザイオンス効果」というものが働いています。

本日は効果的なマーケティング手法の一つである「ザイオンス効果」について綴りたいと思います。

ザイオンス効果とは

冒頭にも綴りました通り、人間は「同じCM」や「よく会う人」には興味や信頼が湧いてくるもので、逆に突飛押しのない飛び込んできた情報や人に対しては薄い信頼感しか生まれてこないという行動心理があります。

ザイオンス効果とは、対象となるユーザーに対して何度も繰り返しアプローチすることで、信頼度や興味関心を高める行動心理のことを指します。

「単純接触効果」とも言われますが、顧客は目で見て、耳で聴いて、手で触ってを何度も繰り返し行っていくうちに安心感のような感情を抱くようになります。

マーケティングにおけるザイオンス効果

ザイオンス効果はマーケティングの領域においてよく活用されています。

あまり見かけなかった広告や宣伝でも、繰り返し繰り返し見たり聴いたりすることで、だんだん興味をもち始めるもの。

どちらかと言うと「質的作戦」というよりは「量的作戦」に偏った考え方ですが、認知度を向上させるためには非常に効果的です。

企業においても「ブランド」というものが確立していく上で、認知度というものは欠かせられない要素です。

その際に、よほどのインパクトがあれば一回でも頭に残るでしょうが、所詮一回流しただけのCMでは「このブランドと言えばあそこの企業

その際に、よほどのインパクトがあれば一回でも頭に残るでしょうが、所詮一回流しただけのCMでは「このブランドと言えばあそこの企業」とはなりにくいですよね。

そこで企業のプロモーションにおいては「質」に加えて「量」も徹底して顧客にアプローチするわけです。

製薬業界におけるザイオンス効果

私が製薬企業にて営業(MR:医薬情報担当者)をしていた頃、医師から「良く来てくれるから処方した」や、薬剤師から「いつも来てくれるから買ってあげる」と言われることが多くありました。

まさにこれはザイオンス効果が働いた結果と言えるでしょう。

医師も薬剤師も、「この人のことをよく知ってるから安心して購入できる」という心理が働いてるわけです。

ちなみに私が製薬企業に入社したのは2003年でしたが、その当時、まさにザイオンス効果を最大限に高めるために、1つの大学病院で担当MRが5人くらいいました。

これは各社同じような戦法を取っており、例えば「呼吸器内科はAさんが担当」「整形外科はBさんが担当」といったように、診療科別に担当者を分けて複数で一施設を攻略するという戦法です。

この頃は医療機関に「業者の訪問規制」というものがあまりない時代でした。

病院の中でも医局(医師が集う部屋)以外でも病棟まで訪問したりすることも多々あった時代です。

今では様々な書類などに機密情報が書かれていたりして、個人情報保護法も施行されたりで、勝手にMRが病院のどの部屋にも勝手に入ることは許されません。

大学病院とて担当MRも各社1人、場合によっては2つ以上の大学病院を一人で担当するなんてことももはや当たり前になりました。

それだけ、医療従事者との接触が難しい時代になったのです。

従って、ザイオンス効果はただ「会う」ということにおいては発揮しにくくなったと言えます。

しかしながら、各社「ただ会う」という、ある意味非効率とされる作戦から、いかに質の高い接触効果を生み出すかを必死で考えています。

ネット戦略もしかり、メールアドレスを入手するもしかり、とにかく限られた環境や条件の中で、ザイオンス効果を生み出すために様々な手法が試行錯誤されていると言えます。

デメリットもあるザイオンス効果

ある程度の接触効果をもたらす上では効果は発揮しやすいザイオンス効果ですが、時としてデメリットとして働くことも頭に入れておきましょう。

接触回数が増すごとに信頼や興味もわいては来ますが、「しつこい」と思われる閾値が存在しています。

そして、この「しつこい」と思うラインは人それぞれです。

3回面談したら「良く来てくれる」と思う人もいれば、「また来やがった」と思う顧客もいるということです。

ここは要は「量」だけではなく「質」次第な部分でしょう。

何事も勢いだけではなく、しっかりと中身を伴わせることが大切と言うことですね。


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