【経営コンサル】企業研修紹介「販売・マーケティング戦略の立案の仕方」
こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。
最近、営業スキルに関する研修セミナーのご依頼をお受けすることが多くなってきました。
前職で私自身、営業部門に16年間現場で従事し、4年間本部マーケティング部門に従事しておりましたので、この辺りは得意分野としています。
今の時代は「良いモノが売れる」というよりは、「顧客が欲するモノが売れる」という時代です。
そのため、「ターゲット顧客」に対して、「何を」「価格はいくらで」「どんな流通販路で」「どんな宣伝をして」販売するかという、抜けモレの無い戦略立案は必須です。
本日は、販売マーケティングを考える上で基本的となる「マーケティング基礎」についての研修セミナーコンテンツをご紹介させて頂きます。
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「マーケティング」とは?
「マーケティング」と聞くと、難しく聞こえるかもしれません。
私も基本的に「横文字」が好きではなく、難しく聞こえますし、解釈が広くなってしまいます。
一言で「マーケティング」とは、「モノ・サービスが売れて儲け続ける仕組みを作ること」です。
そして、その考え方は時代を経るごとに変遷していきました。
昨今ではSNSという新たな手法が生まれ、自社がというよりは、顧客に普及してもらうという手段が王道になりつつあります。
市場を定義する「STP」とは?
マーケティングの領域では、「市場」という考え方がベースにあります。
「どの領域で自社は戦うのか?」「どんなお客さんを対象に売りに行くのか?」という、自社が闘う土台のことです。
そしてその「闘う土台」を定義するのに「STP」という手法を用います。
簡単に言うと、「S」(=Segmentation)とは、「市場」を何かしらの基準でモレ・ダブりなく「分ける」ことです。
そして「T」(=Targeting)とは、「分ける」という作業の後に、分けた中で戦う土台を「選ぶ」ことです。
最後に、「P」(=Positioning)とは、「選ぶ」作業をした土台の中で、「自社の立ち位置を決める」ことです。
マーケティングで大切なことは、「売りたいモノ・サービスを誰にでも売る」ではなく、「売りたいモノ・サービスを、売れる相手に絞る」という考え方が前提にあるわけです。
マーケティングの「4P」とは?
では、実際に「売りたいモノ・サービスは何か?」と聞かれたときに、ここでも「モレダブりのない」解答の仕方に「4P」という手法があります。
ターゲット顧客に対して、「何を」「いくらで」「どんな販路で」「どんな宣伝で」売るのか?を考えるプロセスです。
実はこの4つの視点の1つでも欠けてしまうと、販売戦略に「モレ」が生じてしまうのです。
大切なことは、「ターゲット顧客が最も買いたい、または購入しやすい条件」に整理すること。
販売・マーケティング戦略を立案する上で、まずは「STP」と「4P」を整理することが最初のステップになります。
「何を」を構成する要素
ところで、例えば「ハサミ」を売りたいという企業があったとします。
この企業が提供しているのはどのような「価値」なのでしょうか?
これはお客さんの視点で考えると分かりやすいかもしれません。
お客さんは「ハサミ」が欲しいというよりは、実は「切りたい」という欲求があります。
その欲求を満たすために、「ハサミ」という「手段」を選択しているだけなのです。
つまり、「ハサミ」には「切れること」という最低限必要な要素が備わっていなければ、「切りたい」と思っている人には買ってもらえません。
そして、「可愛いデザインのハサミ」や「より綺麗に切ることができるハサミ」といった、「付加価値」というものが伴います。
さらに、「思うように切れなかったら返品OK」といったような、「プラスα」の要素が伴うと、更にお客さんの満足度は上がることでしょう。
これらをまとめたのが、以下の図になります。
自社が売ろうとしている4Pの「何を」を、上記の「中核」「実態」「付随機能」の3つの要素で整理してみましょう。
抜けモレがないか確認してみて下さい。
「顧客ニーズ」の本質とは?
昨今、「顧客ニーズにあったサービス」といった言葉が飛び交っています。
「顧客ニーズ」という言葉を正確に説明できるでしょうか?
先ほどの例を振り返りたいと思います。
お客さんがハサミを買いたい時に思っていることは、「ハサミが欲しい」ではなく「切りたい」です。
そして欲しい物が「ハサミ」ということになります。
ここで「雑に切りたい」か「綺麗に切りたい」かに別れますが、仮に「綺麗に切りたい」と思っている人は、「綺麗に切れるハサミ」を選ぶでしょう。
顧客ニーズの本質は、お客さんがそのモノ・サービスを活用した後の「ありたい姿」のことです。
この内容を整理したのが以下の図になります。(以下は、「ハサミ」を「ドリル」に代えた例です)
そして、顧客は「ニーズ」が満たされれば、そのモノやサービスに満足します。
しかし、満足にも度合いがあります。
期待している姿が期待通り実現できれば、想定される満足度に終わるでしょう。
しかし、想定を上回るような実現効果が得られれば、その満足は「感動」に繋がります。
顧客満足度というのは、高ければ高い程、リピートに繋がるわけです。
「マーケティング戦略」とは?
以上、これまでは前提となる考え方を整理して参りました。
これまでの内容でできあがるものは、「誰に」「何を」「どのように」の3つの要素になります。
そしてここから「戦略」というものを立案していくわけです。
この「立案」とは、「4P」をより深堀して、「いつまでにどれだけ売れると見込むか」という計画になります。
ところで、モノやサービスが生み出された時点の考え方が、いつまでもその通り維持されるかというとそれはあり得ません。
世の中には「流行」というものがあり、昨今流行は目覚ましく変化していきます。
最初に売れた商品でも、流行が途絶えると廃れていってしまいます。
そこで、どの段階でどのような施策を打つかを、モノ・サービスの「ライフサイクル」をベースに考える必要があります。
「製品ライフサイクル」とは、一言でいえば「そのモノ・サービスの寿命」と言えます。
もちろん、モノ・サービスによってはこれと同じ路線をたどるとは限りません。
導入期でこけてしまうモノも存在しています。
つまり、この路線をたどらせるためには、それぞれの段階に応じた施策を考え直す必要があるということになります。
「販売」には必ず「宣伝費」や「人件費」などの「コスト」を要します。
マーケティング戦略の立案とは、「売上」と「コスト」のバランスを考えて、市場(お客さん)にどこまで受け入れてもらえるかの「道しるべ」を描く作業ということになります。
どの時代においても「顧客視点」がベース
上記の流れをたどった上で、「どの段階」で「どんな売り方」をして、「どれだけ売れる」と想定するかを描くのがマーケティング戦略の立案作業です。
そして、とにもかくにも「売れる」と思ったモノ・サービスは、自社が売れるというよりは「顧客に受け入れてもらえる」という視点はいつの時代においても忘れてはいけません。
それは「4P」のどのPをとっても言えることです。
どれだけ性能の良いモノでも、高すぎると顧客は購入しません。
他社と比べてどれだけ安いモノを売り出しても、「宣伝」をしなければ顧客に認知されません。
顧客にとって最も受け入れやすい「4P]を考えることが、マーケティング戦略立案において大切なことです。
本研修セミナーでは、実際に「戦略立案」の演習も挟みながら体験していただく内容としております。
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