【経営コンサル】企業研修 「組織における業務改革(BPR)」ー人手不足・働き方改革の時代だからこそー
こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。
昨今、人手不足や働き方改革などによって、業務の効率化が大いに問われる時代を迎えています。
もはや「単なる効率化」にとどまらず、業務を抜本的に改革して組織を変革していく取組みが問われていると言えるでしょう。
本日は新コンテンツ「組織における業務改革(BPR)」についてご紹介させて頂きます。
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業務改革(BPR)とは
BPRとは「Business Process Re-engineering」の略で、「業務を効率化させて抜本的にビジネスプロセスを変革させていく取組み」のことを指します。
ここでいう「抜本的な変革」というのは、単に人を減らしてデジタル化するという、単なる効率化を意味しておらず、それを通して顧客視点で業務を変革することを意味しています。
実はこのBPRという概念は、1990年初頭に既に米国で提唱されていた内容でした。
バブル崩壊後の日本にも企業再建に向けて非常に積極的に取り入れようとされていたのです。
しかし、当時の日本では「既存の組織の破壊」に力点が置かれすぎて、「人員整理」のニュアンスが強く出てしまい、国内における取組としては失敗に終わったと言われています。
これは、私見ですが効率化をするための手段(デジタル技術等)の開発が追いついておらず、結果的に人を減らさざるを得ないという状況に置かれてしまったのではないかと予想します。
しかし、人口減少が甚だしい昨今、今一度業務を見直していかなければ、人手も足らないし、長時間労働もできないし、と、業務のやり方を大きく見直す必要性に問われてしまったのであります。
そして今、改めてBPRが着目されるようになりました。
BPRが求められる背景
先述の通り、現在日本は少子高齢化が加速化し、労働生産年齢人口が着々と減少傾向にあります。
様々な業界において、人手不足と言われている中、業務をどう回していくべきかは各企業の経営者に問われている課題と言えるでしょう。
出典:経済産業省「2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について」(H.30年9月)
私も様々な中小企業様の経営者から「人手不足」や「新人採用」に悩みを抱えていらっしゃるという話をどこでもお聞きします。
この状況は、おそらく一夜にして解決する問題でもないですし、今後益々加速化していくことでしょう。
そのような背景から、業務プロセスを抜本的に変革させていくことが生きる道と言っても過言ではなくなってきていると考えられます。
BPRによる効果
では、BPRという業務プロセスの抜本的な変革をしたとして、どのような効果やメリットがあるのでしょうか。
大きくは3つのメリットがあると考えます。
メリット①「業務が見える化される」
BPRの第一ステップは「現状把握」です。
業務の流れを把握するのに、「業務フロー図」を使います。
今の業務内容が、どのように流れており、誰がどの工程を担当しているのかが見える状態にするステップです。
例えば、以下のような感じ。
このフロー図は、誰が見ても「そうそう、うちの業務ってこの流れ!」と言えるように作りますので、ひとつのマニュアルとしても活用することができます。
また、これによって「どこに無駄があるのか?」「どこを改善すれば効率化されるのか?」を視覚的に分かりやすく検討することもできます。
メリット②「スピーディな意志決定ができる」
業務フロー図によって業務の流れが見える化されると、業務の流れが明確になります。
そして、そこから発覚した問題点を解決できて効率的に業務が回せるようになると、余計なムダやムラがなくなります。
その結果、時間に余裕ができて、本来割くべき意思決定にかける時間を確保することができるようになります。
メリット③「顧客・従業員満足度が向上する」
自社の業務の全体最適化が果たされると、提供する商品・サービスの品質が向上します。
その結果、お客さんからの満足度も向上します。
また、従業員視点で見てみましょう。
やらなければならない業務負荷が軽減し、効率化されることで、今までかけてきた時間に余裕ができ始めます。
その結果、新しい業務に取り組むこともできますし、新たな付加価値を生み出すことにも繋がります。
BPRによって顧客・従業員の満足度が向上するというのは、実はメリットでもあれば「目的」でもあります。
顧客・従業員が満足のいく状態を果たすためにもBPRは今の時代には必須の取組みでしょう。
BPRを始める最初のステップ「現状把握」
とにもかくにも、「こうありたい」「こうなっていたい」と考えることも大事ですが、まずは現状がどうなっているのかを把握する必要がありますよね。
そこで、現状の見える化手法として「業務フロー図」をご紹介します。
業務フロー図は、一連の業務の流れを、流れに沿って「何を」「誰が」「誰に向けて」を明確にする図表です。
一目見ただけで業務の流れと担当者が分かる点で、非常に使いやすく、汎用性も高いと言えるでしょう。
業務フロー図に用いる記号はある程度決まっています。
これも誰でも分かるようにということで、記号も統一して用いられています。
しかし、あまり複雑にしてしまうとかえって分かりにくくなるので、こちらでは最もシンプルな記号のみ紹介しましょう。
この記号を用いて作図すると、先ほどの「顧客から受注~請求書発行して入金確認をとる」までの流れは以下のようなイメージになります。
なお、自社は「営業部」「製造部」「経理部」の3つの部門に分けてみました。
これで現状の業務の見える化ができあがりました!
パッと見ただけでこの業務の流れが分かりやすくなりましたね。
BPRの実践
現状の業務の流れが把握できたら、「どうありたいか?」「どんなありたい姿を描くか?」を考えます。
例えば、「受注してからお客さんに納品するまでの期間をもっと短縮させたい」と考えたとしましょう。
すると、現状の業務の流れの中でどこが問題になっているかを検討する必要性が出てきますね。
それを業務フローを見て考えるわけです。
ここで、営業担当者が受注して後に、製造部門で在庫があるかどうか確認して、あれば製造開始、なければ外部業者に発注という工程に時間を要していたとしましょう。
だったら、常に在庫を一定数保管しておいて、営業担当者が受注したらすぐ製造開始できる状態にしてみては?という話になりそうです。
それを図にし直すとこんなイメージです。
ここで、仮に「受注在庫管理システム」というものを導入した場合、上記の通り、業務の工数がザクっと減ったのが分かりますでしょうか?
BPRにおいて一番大切なことは何より「現状の正確な把握」です。
ここがスタート地点になりますので、正確に把握することを心がけましょう。
最後に
昨今、某中古車販売企業や某エンターテイメント事務所などの不祥事問題が後を絶ちません。
これらは単に出た芽をつぶしたところで一切根本的な解決にはなりません。
組織のあるべき姿は、ゆっくりでも良いですが抜本的に変革をしていかなければ、こういった不祥事もいつかは起こり得ます。
BPRはこういったコンプライアンス違反を撲滅することにも繋がると思っています。
今こそ、自社組織を大きく変革させるべき時です!
私も一緒になって悩み、一緒になって明るい未来を築いていきたいと思います。
ご興味のある方は問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせくださいね。
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