【経営コンサル】起業はおすすめ?

  • 2023/11/07
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

私は前職は大手内資系製薬企業の従業員でした。

営業所長も、本社グループ長などの管理職も比較的若くして経験させて頂きました。

そんな私が中小企業診断士として独立起業したことを「もったいない」とよく言われることがあります。

独立起業は果たしておすすめなのかどうか?

本日は起業のメリットとデメリットを記載してみたいと思います。

起業メリット

社会で働く上で、従業員として企業に所属することと、独立して自ら事業を立ち上げることの2つのパターンがありますが、それぞれにメリットはあると思います。

今回記載させて頂く「起業」側のメリットは、あくまで私にとってのメリットであり、それをメリットと捉えない方もいらっしゃるのは事実だという点を踏まえて綴りたいと思います。

やりたいことができる

起業すると、誰からも何も言われることがありません。

株式会社で株主に出資してもらっている経営者であれば、オーナーの立場から意見や指示がでることはあるかとは思いますが、私の場合は合同会社で出資は私と共同経営者の2名自ら同額出資しています。

つまり、「所有」も「経営」も私と共同経営パートナーのものです。

その結果、自らやりたいと思える仕事を仕事としてやることができます。

逆を返すと、私は正直「やりたくない」と思う仕事はやりません。

自らワクワクするような仕事、魅力を感じる仕事を、プロの中小企業診断士としてやると決めております。

そしてその業務に取り組むための時間の使い方も、全て私の意思決定に基づかせることができます。

お客さんとのやり取りで時間に追われることはありますが、それは企業に属していても同様でしょう。

経営を成り立たせるためには、顧客に魅力あるサービスを提供しなければ受託には至りませんが、そこに至るプロセスを楽しみながら進めることができます。

スキルを自分のペースで磨くことができる

私は独立してから様々な業界業種、様々なテーマでの提案依頼や研修セミナーのご依頼を頂きました。

決してそのすべてがもともと熟知していた領域であるとは限らず、ご依頼を頂いてから必死で調べたり勉強したりしながら進めた案件も多々あります。

多くは医療分野ですので、親和性が高い領域ではありますが、全く未経験な業種のお仕事も、とことん調べながら進めさせて頂いております!

中小企業診断士は「業種別審査事典」というものをよく活用しながら、業界全体のことを調べながら標準をまとめたり、その領域についてのマーケティングリサーチのデータ(矢野経済研究所データ、政府統計など)を活用しながら、業界を俯瞰して調査をします。

そのプロセスが私にとっての「最大の学び」になっていると思っています。

この年齢になっても、そして何歳になっても「知らない」と言えることが、どれだけ恥ずかしくないことかと痛感させられます。

なぜか「すごい」と言われる

そうなんです。

経営者として独立することを、世の中からは妙に「すごい」と評価されます。

これはメリットと言えるのか分かりませんが、別に経営者になることは登記の申請をすれば誰にでもできることです。

ただ、評価されていたいことは、自分自身が「企業に属する従業員の方」と大きく違うのは、「自分でやりたいことをやりたい!」という思いが人一倍強いということです。

経営者である以上、自分で自由に進められます。

その代わり、その分の努力も必要で、誰も養ってはくれません。

これをメリットととるかデメリットととるかが、起業者と企業者の違いでしょう。

そこには大いなる決意が伴っているので、「評価される」ことは良いことかと思います。

ただ、私は企業に属している人すべてが「やりたいことをやっていない」とは思っていません。

多くの人は自社に誇りをもって仕事をしておられますので、その点では私は経営者としてそれに負けないだけの強い思いと責任感をもつべきだと自覚しています。

時間の使い方が自由

私は独立起業してから1日たりとも仕事を休んだことがありません。

これは世間一般的に言うと、喜ばれることではないかと思います。

しかし、仕事が楽しいので、土日でも事務所に来て何かしら仕事をしています。

短時間で終わる日ももちろんあれば、夜遅くまで仕事をすることもあります。

それだけ、やろうがやるまいが自分で決められます。

究極のセルフマネジメントを発揮させることができる、この上なきメリットと私はとらえています。

起業デメリット

起業することのデメリットは当然あります。

一言でいうなら「誰も救ってくれない」ということ。

これは最大の不安材料であることは間違いありません。

それらを少し整理してみたいと思います。

仕事が安定しない

最大のデメリットはこれでしょう。

これは冗談抜きに「仕事がある時」と「ない時」に波が生じます。

落ち着いて安定してくれば、安定して収入が入ってくることになりますが、そんな保証はだれからもしてもらえません。

お仕事は「やるもの」ではなく「させて頂くもの」という価値観に大きく変わります。

特に起業当初は仕事も少なく、収益ゼロの月があっても何の不思議もありません。

この不安定さを不安に苛まれるという方は多くいらっしゃると思います。

全ての手続き関係も自分でやることになる

起業して最初に戸惑ったこととして、思っている以上に会社には手続き関連をやってもらっていたんだということ、それらを自分でやっていかなければならないということです。

具体的には、社会保険料の納付、税金の納付、経理明細の入力、請求書作成、領収書作成、確定申告の申請、などなど。

私の場合、合同会社の役員ですので給与というのは「役員報酬」になります。

役員報酬というのは年間一定で、税務署に届け出て、その額を元に社会保険料も算定されます。

これらの申請と、納付、などなど全て自分でやらなければなりません。

法人設立届をした際にも、法人印の登録もしなければなりませんし、契約などで法人印の印鑑登録証明が必要となると、法務局窓口にまでいかなければならなくなります。

これは企業に属しているとまず発生しない作業です。

この手の「手続き関係」の作業は、結構手間になりますし、失念するとえらいことにもなりますので必ず抜けモレなくやらなければならず、これを「メリット」と呼ぶ人はまずいないのではないかと想像します。

何かあっても誰も守ってくれない

会社員の方々は、コンプライアンス違反はともかく、ちょっとした失敗やお客さんとのトラブルがあったとしても、会社が守られる範囲で守ってくれます。

一方、独立起業するとこの手のトラブルは誰からも守ってもらえなくなってしまいます。

お客さんからの信頼を失墜してしまった場合、横のつながりで一気に口コミが広がることも当然ありますし、会社と違って上司が代わりに謝りにいってくれることなんてあるわけもありません。

全ての自己責任の世界ですし、全て自分で解決しなければなりません。

当然、コンプライアンス違反は従業員も起業家もやってはいけません。

しかし、ちょっとしたミスや顧客とのトラブルというのは、独立起業家の場合、本当に全て自分で解決しなければならなくなりますので、かなりの未然防止策やリスクヘッジは検討が必要になってこようかと思います。

結論、起業はおすすめ?

以上、おおまかに起業のメリットとデメリットを纏めてみました。

では結論として、起業はおすすめなのか否かということですが、答えは「やってみたいという思いが少しでもあるのであればおすすめ」「企業に属している方が楽と考える人はおすすめしない」です。

私自身は、どちらかというと人に何かを言われて、指示通りやるという仕事の仕方が大嫌いでしたし、今でも好きではありません。

資格をとることも、自ら進んでとってきましたが、会社が「とれ!」と言ってくるような資格は一切手を付けることもしませんでした。(あまり言われたことはありませんでしたが)

敷かれたレールに乗るのが嫌いで、どちらかというと到着駅が一緒なら別のレールを敷いても良いのでは?と考えるタイプです。

ということで、私は誰に相談することもなく、自ら会社を退職して起業しました。

そして上記のメリットとデメリットをしっかりと把握し、理解したうえで独立起業という道を「覚悟」をもって選択しています。

自由気ままな人間かもしれませんが、誰よりも努力はします。

そこに価値を見いだすことにワクワク感を感じているからです。

Excitement

企業に属していようが、独立起業しようが、要は大事なことは「Excitement(=ワクワク感)」です。

企業に属していれば、様々な人たちと関わりながら、それをストレスと感じる人も多くいることかもしれません。

独立したらしたで、外部の人とかかわりを持とうと思うと自動的にじんみゃくはできるものでもないので飛び込んでいかなければならず、それをストレスと感じる人もいるかもしれません。

いずれにしても、メリットとデメリットがある中で、どのような形の仕事の仕方が自分にとってワクワクするか、でしょう。

私は起業家として「Excitement(=ワクワク感)」をプロデュースする経営コンサルタントでありたいと思っています。

コロナ等で落ち込む社会で、一人でも多くのワクワク社会人が増えることを心から願って日々活動を続けていきたいと思います。