【経営コンサル】組織に存在する262の法則とは

  • 2023/11/10
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

「262の法則」というのは耳にされたことがある方もいらっしゃるかと思います。

「2:8の法則」とも言われたりしますが、あえて「2:6:2の法則」としています。

本日は組織力の向上に向けた、262の法則に焦点をあてた内容を綴りたいと思います。

262の法則とは

正確には「2:8の法則」とも言われますが、「80%の成果を生み出しているのは20%のメンバーによるものである」という法則です。

組織を「80%の成果を生み出す上位20%」、「残りの20%の成果を生み出す60%」、「足を引っ張る20%」の3つに分類する考え方です。

実はこれはどのような組織にも存在していると言われています。

こんな話をご存じでしょうか?

10匹のアリがいるとします。

2匹がせっせと動き回って8つの餌を運んで巣にため込みました。

6匹のアリがそつなく動いて2つの餌を集めて巣に運び込みました。

2匹のアリが「めんどくさい」とサボりにサボって、しかも6匹のアリを邪魔していました。

見かねた女王アリが、サボる2匹のアリを「邪魔だから」ということで巣に閉じ込めて、残りの8匹で仕事をさせることにしました。

すると・・・

残りの8匹のうちの下位20%の2匹(正確には1.6匹)が、今度はサボりだしたのです。

勿論、程度間に差はあれど、どのような組織にも262の法則は成り立つと言われているのです。

組織マネジメント

では、マネジャーは2:6:2のどの層の育成に特にフォーカスするのが良いと思いますか。

様々な考え方があると思いますし、間違いも正解も様々な解釈の仕方があると思います。

そのような中で、私は「上位20%を徹底的に育成する」という点にフォーカスすることが、将来的には組織力が向上する一番の近道ではないかと考えています。

もちろん、マネジャーは「人材マネジメント」が求められるミッションの一つですので、他の層を放置するというのは間違いです。

要は、マネジャーは「自分の右腕」を作ることで組織が結果的に強くなっていくということです。

例えば、上位20%に「マネジャーである自分の代わりに、ミーティングを仕切って欲しい」や、「後輩である○○さんの育成を君に任せたい」などすることで、自分の業務を少し任せていくということが彼らの指導に繋がります。

私も前職で管理職を、しかも比較的若くして経験させて頂きました。

傘下のメンバーも10人以上と、比較的多めでしたので全員同じ温度感で管理、指導することは物理的に難しいと感じることも多々ありました。

そのようなときに、「マネジャーが全て一人でやろうとするからできないんだ!同じようにできそうなメンバーにお願いして一緒にやってみよう」と思った時があったわけです。

業務の委託

業務の委託というと、外部にアウトソースするような印象をもってしまいますが、要はある業務を別の誰かに任せるという意味です。

自分がやってきた業務を人に任せるということは、結構勇気がいるものです。

ちゃんとできているのか?

今どんな進捗なんだろうか?

困っていることはないのか?

等々、結構心配にもなりますし、それが重要な業務であればあるほど、マネジャーは任せることに躊躇してしまうことが多いことでしょう。

もちろん私もそうでしたし、今でもそう思うことは多々あります。

しかし、業務は任せること、与えることでメンバーは育っていくのです。

最終責任は任せたマネジャーにあるからこそ、心配になる気持ちはよく分かります。

その勇気を振り絞って、業務を任せることがマネジャーとして求められる「覚悟」でもあるんでしょうね。

任せて任さず

この言葉は優秀なマネジャーであればあるほど、当たり前のようにやっていることです。

業務は任せるけれど、しっかりと支援し、責任は自分に任せろという考え方です。

プロ野球の監督を見ればよくわかると思います。

球団の監督は、自分がバッターボックスに立っても役に立ちません。

選手たちに代わりに試合に出てもらっているわけです。

しかし、「行ってらっしゃい」というだけではなく、「もっと脇を締めて」「もう少し右に守れ」など指示を出しながら、任せたフィールドに首を突っ込んできます。

そして何より、結果としての勝敗の責任は監督自身がとることになります。

私が前職で営業をしていた時に、尊敬するマネジャーがよく言っていた言葉を思い出します。

「結果の責任は俺がとる。行動の責任を果たしてくれ!」と。