【経営コンサル】なぜ、企業で不祥事が起きるのか?
こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。
昨今、沢井製薬による品質検査のデータ改ざん、ダイハツやパナソニックHDのデータ改ざん不正など、芋づる式に企業での不祥事のニュースが後を絶ちません。
大手企業だから安心というわけでもないのか?と思わされる事態です。
なぜ、このような事態が生じるのか考えていきたいと思います。
不祥事を起こした企業の事例
まずは、過去に色々な企業において不祥事が明るみになった事例を見ていきましょう。
沢井製薬
当社はカプセルの中に入っていた顆粒の期限切れ製品をカプセルを取り換えて、品質上問題なしと報告していたという事例が報告されています。
現場のヒアリングによると、上層部からの圧力で品質上の問題は一切許されないという雰囲気だったとのことで、当時のリーダー職あたりの人からの指示があったとのことでした。
ビッグモーター
中古車販売会社としては大手企業のビッグモーターですが、上長からの強い指示で修理に預けられたお客さんの車に自ら傷をつけて保険金を割増でとるという悪質な不正でした。
こちらも同様に、上層部からの利益拡大に向けた強い圧力があったことが背景にあるようです。
小林化工
ジェネリックメーカーで倒産に追いやられた小林化工です。
抗真菌薬に睡眠導入剤の成分が混入していたことで全国で健康被害が報告されました。
小林化工はそもそも国が承認していない加工工程を経て出荷しており、社長も15年以上黙認してきたとのことで、このような事態に陥りました。
・・・、その他にも様々な不正事例が報告されており、芋づる式に不祥事が発覚しています。
不祥事企業の共通点
上記の3社を取り上げてみただけでも、共通点は「経営層」「上層部」にあることは明確です。
これらの共通点は、「利益向上は絶対、成果を残さなければ許されない圧力が上層部からかけられている」ということは言えそうです。
ここに間違いがあります。
「利益向上は絶対、成果を残さなければ許されない圧力」があることは、正直どこの企業も同じです。
これを理由にしていることは間違っていると私は思います。
問題は、「不正を許さない圧力がないということ」です。
ニュースでよく見かける、部下の人達の「失敗は許されない雰囲気だった」という発言。
そのように解釈させている企業側に問題はあるとは思います。
しかし、本質的に許されないのは、「失敗」ではなく「不正」です。
しかも、「不正」を許して成果を認める風土が存在している点に疑問を感じますね。
正直、上層部に問題は当然あるとは思いますが、実際に不正を働いた下位者自身も上層部に責任を転嫁させることは私は間違っていると考えます。
企業理念は浸透しているか?
これらの企業は、まずは上層部に問題があると言えそうです。
その背景として、ひとつには「企業理念が浸透していない」と言う点があげられると思われます。
企業には「理念」と呼ばれる、「我々はお客さんのために貢献します」のような、企業としての「思い」というものがあります。
(*明文化されていることが前提です。これがない企業は、まず理念を明文化しましょう。)
そして、この理念は本来従業員全員がその思いを理解し、ソラで言える状態であることが企業を一体化させるベースになります。
ひどい場合は、浸透している以前に、経営者や上層部自身が理解していないということもあるのです。
自分たちは何のために働いているのか?
自社は世の中にどのような貢献をするのか?
これらが理解されていない場合、企業では一体感が生まれません。
全員が仲良しメンバーだったとしても、それは仲が良いというだけで、本質的に繋がっているとは言えないと言ってよいでしょう。
自分の仕事を家族に自慢できるか?
さて、私には世界で一番愛する妻がいます。
自分がやっている仕事をいつも「聞いて聞いて!」と話しており、妻も嬉しそうに聞いてくれます。
皆さんは、世界で最も愛する人に自分のやっている仕事を自慢できますか?
社会に対して後ろめたい仕事であった場合、または、後ろめたい手段をとってしまった場合、世界で最も愛する人に、その事実を自慢するでしょうか?
これは社会人として非常に大事な考えだと私は思っています。
社会への貢献の仕方を、胸を張って自慢できるかどうか?は大切な判断軸になると考えています。
恐らく、不正を起こす企業の人は胸を張って家族や愛する人に自慢できないのではないでしょうか。
仕事というのは、私はそういう側面をもったものだと思っています。
一度、自分自身を振り返ってみて、行動を改める習慣をもってみてはいかがでしょうか?
最後に
コンプライアンスというものは、一人一人が遵守するモノです。
コンプライアンスというのは、法令順守・規則遵守というものだけではなく、人としての品質も同義です。
全ては「これくらい大丈夫だろう」という甘えから違反に繋がります。
芸能人においても不祥事はよく発表されますが、発生要因は同じです。
愛する人に自慢できる仕事をしよう!
愛する人に自慢できる行動をとろう!
これが全ての判断軸だと感じます。
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