【経営コンサル】顧客とのトラブルについて考える

  • 2024/01/24
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

前職の製薬企業MRをしていた頃、何度かお客さん(医者・薬剤師等の医療従事者)に怒られたことがありました。

「案内が遅い」とか「そんなの聞いてない」など、「会社としての落ち度」ならまだしも、「MRとしての落ち度」によるトラブルは誰のせいにもできません。

今回は顧客とのトラブルが生じるプロセスや、ネガティブな感情がどのようにトラブルに繋がるかについて、改めて見ていきたいと思います。

MRの頃に怒られたこと

私がMRをやっていた頃、ある調剤薬局の管理薬剤師に激怒されたことがありました。

まだ若い頃でしたが、概要は以下の通りです。

・・・とまあこんな感じの出来事でした。

普段は雰囲気も良く、私もよく訪問していた調剤薬局でしたので驚きでしたが、結局お許しを頂くことが叶わず、フォローにフォローを重ねましたが最終的に私自身が転勤することとなり、最後のご挨拶においてもお詫びして、更にお詫びの手紙も書いて、それっきりという感じでした。

人間の怒りの「段階」

人のタイプにもよりますが、人間は何気ないちょっとした違和感から芽が出始めて、結果「口撃」という行動に移ります。

この「何気ないちょっとした違和感」というのが、「受け流す」程度で済む人と、「気になりだす」という人もいます。

そしてお客さん(ここでは薬剤師)は、何かしら私に「期待」をしてくれていたことが「裏切られた」という思考に至ってしまったことで口撃という行動に出たことでしょう。

上図のプロセスを見てみると、中には「意見する」というプロセスも「口撃する」というプロセスも経ずに、いきなり関係を切るという人もいます。

実はこういう人が最も厄介…。

なぜなら、この「期待」というものがそもそもないからです。

何も期待もなければ、もはや顔も見たくないレベルでしょう。

こうなってしまっては修復は不可能に近いと思われます。

逆を返すと、この「口撃」段階は、「チャンスは残っている」と言える可能性はあります。

トラブルへの対応プロセス

お客さんに怒られた、トラブル発生によってどのような対策をとるべきか、私のいつもとってきた対応フローは以下の通りです。

まずはスピーディにお詫びすること。

この段階では「正確な原因究明がなされていない」という、まずは「気を害させてしまったことへのお詫び」で、いわゆる「一次対応としてのお詫び」の段階です。

多分、この段階が一番相手の怒りの状態はマックスかもしれません。

したがって、スピーディにお詫びすることが大切です。

ただし、「早く謝りたい」というのは時として「自分のニーズ」でしかないこともあります。

相手にも「今お詫びに来られても」という私情もあることでしょうから、場合によってはちょっと時間を空けた方が良いかどうかも見極めが必要でしょう。

さて、一次対応が終わった後に正確な原因を究明するプロセス、そしてその次の二次対応という重要なプロセスが待ち構えています。

まずは原因究明のプロセス。

真の要因をしっかりと突き詰めて対応に移らなければ、一次対応で怒りマックスだったお客さんは更に怒り心頭になりかねません。

「相手はなぜ怒っているのか?」「それはなぜそうなったのか?」を「なぜなぜ分析」で突き止めます。

これにあてはめて、先ほどの私の調剤薬局の薬剤師を怒らせたことを分析すると以下の通り。

最近では「よく来てくれる営業マン」だから評価されるという時代でもないのかもしれませんが、この当時は「よく訪問する営業マン」が評価される時代でした。

したがって、「案内が遅い」=「自分に対してないがしろにされている」という感情になってしまったのでしょう。

ネガティブな感情は続く

皆さんは「気持ちが良い」という感情と「気持ちが悪い」という感情、どちらが長続きしますか?

人によって大小はあるかもしれませんが、一般的にはネガティブな感情はポジティブな感情に比べて長続きすると言われています。

様々な研究においてもネガティブな感情はポジティブな感情に比べると長続きすると言われていることからも、顧客とのトラブルに対しては真摯に長期期間をかけて修復していく対応が必要です。

これが「アフターフォロー」というもの。

それまでは「怒られる」なんて想定していないので、それなりの関係性がある相手であれば「面会する」と言うこと自体に億劫感は感じないでしょう。

しかし怒られた後というのは、「また怒られたらどうしよう」という心理的な不安が伴います。

ちなみに先ほどの調剤薬局の薬剤師は、アフターフォローで伺っても、今までにないほどのそっけない対応を続けられたり、時には「お宅のことは許してない」とはっきり言われたりもしました。

(ある意味では「失うものもない」と、気持ちが楽になることもありましたが)

だからといって適当な対応はご法度です。

誠心誠意の真摯な対応を心がけましょう。

最後に

私の場合は製薬企業MRという「ルートセールス」的なパターンでお客さんとのトラブルが生じた場合の内容として記載いたしました。

どのようなビジネスシーンにおいても、トラブル対応というのは非常に重要です。

これは社外のみならず、社内においても同様と考えてよいでしょう。

何より相手軸を考えた真摯な対応を!


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