【人材育成】人材マネジメントにおける「参加型」と「参画型」について
こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。
人材育成関係の研修講師をお受けする機会がずいぶん増えてきました。
昨今では、「背中を見ろ」という育成手法(=ティーチング)より、「やらせる方向に導かせて学ばせる」(=コーチング)の方が育成効果が高いと言われるようになっています。
何事も主体性がある時に人はモチベーションも上がり、使命感も生まれますからね。
本日は人材マネジメントにおける「参加型」と「参画型」について綴りたいと思います。
「参加」と「参画」の違い
ところで、何かを組織の中で作っていくときに、従業員に「参加」してもらうのと「参画」してもらうのと、果たしてどちらが良いでしょうか?
そもそも、「参加」と「参画」の違いは何か?考えたことありますでしょうか?
この2つの言葉には、いずれも「何かある物事や集まりに加わる」という意味は同じく持ち合わせていますが、果たしてどう違うのでしょうか。
実は、加わる「タイミング」に違いがあります。
「参加」とは、他の人達がある程度作り上げた途中の段階から入ってもらって力を借りるということ。
「参画」とは、何か決め事や創り上げていく際に、最初の企画・計画の段階からメンバーに加わることです。
では、「参加」と「参画」ではどちらの方が同じ加わるにしても主体性が高いと言えるでしょうか。
これは言わずもがな、「参画」の方がメンバーの主体性は高いと言えます。
プラモデルを作っている時のことをイメージしてみましょう。
最初から作り上げていくのと、ある程度出来上がった状態から作り出すのと、どちらが出来上がった時の達成感が大きいでしょうか?
当然、最初から作っていくほうが達成感は大きいでしょう。
人材育成のシーンにおいても、途中からやらせるのも決して効果がないとは言いませんが、最初から企画・計画に携わり、作り上げていくプロセスを共にした方が「自分事」として捉えられがちです。
仕事の「意義」をもつ
私は以前製薬企業の社員で20年間勤務してきました。
その当時、営業(=MR)をやっていましたが、営業職に就く同僚に3人パターンの思考法があったのを思い出します。
【パターン①】 僕の仕事は医者にペコペコする仕事。まあストレスかかるよ。
【パターン②】 僕の仕事は医療従事者に医薬品の情報提供をする仕事。難しいことばかり聞かれて大変。
【パターン③】 僕の仕事は病気に苦しむ患者さんを救う仕事。使命感もやりがいも高いよ。
3人とも同じ仕事をしているのですが、皆仕事に対する考え方や発想が異なっています。
さて、タイトルにもある「仕事の意義」を考えると、どの発想が最も「意義」を語っているでしょうか。
既にお分かりの通り、当然【パターン③】がそうですよね。
何のために仕事をしているのか?
自分のやっている業務は、どのような形になって社会に貢献しているのか?
これらを突き詰めていくと、自分は何のために仕事をしているかが見えていきます。
人材育成のシーンに置き換えた時に、まず教えるべきことは「仕事には意義があるということです。
「利他的」な意義をもつ
社会には様々な業種・業態があり、それらの意義も様々です。
どんな意義をもって仕事に向き合うかも自由です。
ただ、大きく分けると2つのパターンに別れます。
【パターン①】 働くことでお金を稼いで贅沢な暮らしを楽しみたい(=利己的)
【パターン②】 働くことでお客さんに幸せになってもらい、笑顔を増やしたい(=利他的)
果たして上記で言うと、どちらがモチベーションが高いと言えるでしょうか。
働いてその成果が対価として大きく跳ね返ってきたら、それはそれはモチベーションも上がることでしょう。
しかし、この「報酬」という対価は、モチベーションの向上が一時的であると言われており、そのうち欲求がじわじわと愚痴に変わっていくものです。
一方、【パターン②】を考えてみましょう。
他人のため、社会のため、という「自分以外の誰か、何か」のために仕事をすると、不思議とモチベーションは続くもの。
これは心理学の世界で様々な実験で証明されています。
一時、缶コーヒーのジョージアのCMにこんな言葉がありました。
「この社会は誰が作ってるの?」(小さい子供の問いかけ)
「俺だ!」
皆がやっている仕事は社会の為になっていることは事実なのです。
それを忘れてしまわないようにすることが大切ですね!
仕事の意義は、「利他的」であるときにモチベーションは益々向上するということです。
最後に
人材育成というのは非常に多岐にわたるテーマですし、永遠に課題とされるものです。
仕事に対するモチベーションというのは、色々な形があり、決してどれも間違いではないのかもしれません。
しかし、企業をますます発展させていくために共に働いている仲間たちには、共通の意義をもっていたいですよね。
それが「組織のまとまり」を築き上げ、一体感を生み出していくのです。
本日は、人材育成の「触り」の部分に迫りました。
今日もモチベーション高く頑張る一日にしましょう!
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