【中小企業診断士】「きみの言ってることは説得力がある!」と言われる手法(ピラミッド構造)

  • 2023/07/17
  • 経営関連

 こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

 暑い日が続きますね…。

 さて、表題の通り「きみの言ってることは説得力がある!」と言われたくありませんか?

 「きみの言ってることはよくわからん・・・」と、かつて言われ続けた私は、そういわれたくて仕方ありませんでした。

 そこで、説得力を増すテクニックをご紹介します。

 先日投稿させて頂きました、「ロジカルシンキング」に続いて、論理的な構造を形作る「ピラミッド構造」について!

 前回の記事が気になる方は、こちらをクリックしてください。

ピラミッド構造とは?

 早速ですが、「ピラミッド構造」って何?って話です。

 物事には「結論」とその「理由」、そしてその理由を裏付ける「根拠」があります。

【結論】 新製品を発売するべきだ!

【理由】 他社が新製品を発売したから!

【根拠】 これが画期的な他社新製品で自社品を凌駕する特徴を持っている!

 こんな感じの「結論」「理由」「根拠」と並べたときに、「よし分かった!新製品を発売しよう!」と、誰もがなるでしょうか??

 「理由」が「他社が新製品を発売した」から「うちも新製品を発売するべきだ」という結論は、ある意味では正解かもしれません。

 しかし、これでは他社が新製品を発売するたびに、自社も新製品を発売せねばならなくなります。

 なぜそうなるかと言うと、理由が「他社」にしか絞っていないからです。

 「自社」にとってはどうなのか?

 「お客さん」にとってはどうなのか?

 つまり、「結論」に対して「理由」はMECE(前回の記事「ロジカルシンキングとは」参照)に整理されて初めて説得力が増します。

 そこで登場するのが「ピラミッド構造」というものです。

 上記が「ピラミッド構造」と呼ばれるものです。

 「結論」に対して、「理由」がモレ・ダブりなく整理されていて、かつ根拠も伴っている。

 このように整理すると、結論はそれらしく聞こえます。

 先ほどの「新製品を発売すべき」という結論で、ピラミッド構造を作るとしたら、例えば以下のような形になります。

ピラミッド構造を作る上でのルール

 ピラミッド構造をつくる上で2つのルールがあります。

ルール① ピラミッドの上下の関係が「なぜなら」と「一言で言うと」の関係であること

ルール② ピラミッドの横の関係は「モレ・ダブり」がないこと

ルール① ピラミッドの上下の関係

 「結論」に対して「理由」は、「なぜなら」の関係にあることは分かるかと思います。

 では、「理由」が3つあったとして、「つまり一言で言うと」の関係になっているかは、実は見落とされがちな視点であります。

 先ほどの例で言うと、「他社が画期的な新製品を発売した」、つまり一言でいうと「うちも新製品を発売するべきだ」とは言い切れるでしょうか?

 仮に、お客さんが全く求めてない物であれば、新製品を発売する意味ってありませんよね。

 従って、ピラミッドの上下の関係は、「なぜなら」と「つまり一言で言うと」の関係であることが重要です。

ルール② ピラミッドの横同士の関係

 例えば、上記のピラミッド構造の2段目が「他社が○○だから」「他社が△△だから」「他社が●●だから」と、全て「他社」が主語だとしたらどうなるでしょうか。

 これも同様に、仮にお客さんが全く求めてない物であれば、新製品を発売する意味はないのに、発売しようとしてしまうということになります。

 つまり、ピラミッドの横同士の関係は「モレ・ダブりがないこと」がルールです。

 上記の例で言うと、「他社が」が3つ並んで「ダブっている」ということと、「自社とお客さん」という視点に「モレ」が発生しているということです。

ピラミッド構造を言葉にしてみよう

 ピラミッド構造が出来上がったら、次にそれを言葉にしてみましょう。

 結論: 「私はこうだと思います!」

 理由: 「理由は3つあります。1つ目は・・・。2つ目は…。そして3つ目は…だからです」

 根拠: 「なぜそう言えるかとというと、・・・という根拠があるからです」

 結論: 「だから、私はこうだと思います!」

 いかがでしょうか。

 綺麗に纏められていて、端的に表現できているのではないでしょうか。

 物事を説明したり主張したりする際に、余計な情報が多ければ多いほど、相手には伝わりにくいもの。

 シンプルに、かつ、整理された状態で説明すると、相手にも伝わりやすくなります。

 ピラミッド構造を頭の中で整理するもよし、紙に書いてみるもよし。

 訓練を重ねると、いつの日にか「きみの言ってることは説得力がある!」と言われる日が必ずきます!