【研修サンプル動画】多職種の関りを円滑にする「アサーティブコミュニケーション」
こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。
多職種が一同に介する連携を果たす上で、コミュニケーションは非常に大切なこと。
しかし、「ヒエラルキー」の構造でチームを動かしていると、専門職同士の意見の食い違いや、お互いの存在を否定的に捉えたりすることも出てきます。
今回は、こういった状況下で活用できる「アサーティブコミュニケーション」について解説したいと思います。
円滑なコミュニケーションに必要な要素
多職種連携の場面において、最も大切なことは、「相手の存在を尊重すること」、そして「自分の主張するべきことをしっかりと主張すること」の2つが兼ね備わることです。
これは「兼ね備わること」が重要で、「相手の存在を尊重する」だけで、自分の意見を主張できなかったり、逆に「自分の主張するべきことを主張する」だけで、相手の存在を尊重していなかったら、連携は取れません。
大切なことは、相手の言論を尊重しながら自己主張をするという2つの要素を兼ね備えることです。
適切な自己主張「アサーション」とは
ここで出てくる「アサーティブコミュニケーション」というもの。
そもそも「アサーティブ」というのは、英語で「Assertion」からきており、「主張」「言明」「断言」などといった意味合いの言葉です。
ただし、ただ自己主張することだけの意味合いではなく、相手の立場や相手の言論をしっかりと受け止めた上で主張するというニュアンスをもつのが、「アサーティブコミュニケーション」と言うことになります。
ここで、アサーティブコミュニケーションと対比的なものとして、「アグレッシブ行動」や「ノンアサーティブ行動」というものを見てみると分かりやすくなるかもしれません。
アグレッシブ行動やノンアサーティブ行動と言うのは、基本的に軸が自分「だけ」、又は相手「だけ」にあり、アサーティブ行動が相手と対等的であるのに対して、アグレッシブ行動やノンアサーティブ行動は、相手とは非対等的な関係になっていることが分かります。
多職種連携というのは、各職種のスペシャリストが集い、各専門分野での専門性を発揮し合いながら一人の患者さんをケアしていくことがあるべき姿になります。
そのためにも、それぞれの専門性をもつ職種が、お互いの存在を尊重しながら、自分自身の専門領域において主張をすることが、求められる「あるべき姿」ということが言えるでしょう。
アサーティブコミュニケーションを実現する「DESC法」
では、具体的にアサーティブコミュニケーションをどのようにすれば実現できるのでしょうか。
それが今回紹介させて頂く「DESC法」というものになります。
DESC法というのは、相手とのコミュニケーションの中で自分の気持ちを4つの段階に分けて整理して相手に伝えたいことを丁寧に伝えることができる手法です。
◆ 「描写する」(Describe)
相手の主張や事実を客観的に捉えること。
具体的には「・・・、なるほど、あなたは○○とお考えと言うことですね」と、まさに受け止めの姿勢を示すプロセスです。
◆ 「表現する」(Express)
相手の主張や事実に対する自分の考えを述べる。
具体的には、「今仰ったことについて、私は○○と考えています」と、相手の主張に対して自分の考えを述べるプロセスです。
◆ 「提案する」(Specify)
お互いの意見の相違を認識しつつ、解決策を提案するプロセスです。
「もし差し支えなければ、私が○○してみたいと思いますが、いかがでしょうか?」といった具合ですね。
◆ 「選択する」(Choose)
相手が起こす行動の選択肢を提案する。
具体的には「例えば、○○といった選択肢がありますがいかがでしょうか?」
真っ向から自分の意見を主張して、相手の主張を曲げさせようとするのではなく、妥協点をしっかり見据えながらお互いの着地点を見つけようとする手法と言えます。
ここでは、相手の意見をしっかり受け止めた上で、自分の意見もしっかり主張していることがポイントとなります。
多職種連携の注意点
さて、最後に注意点をまとめておきましょう。
いくら発言する内容がアサーティブになっていたとしても、態度で示されなかったりすると、その心の内は読み取られてしまい、結局創り上げられそうになっている信頼も失墜していくこととなります。
常に、相手の立場を尊重し、お互いの職種を高め合う姿勢は言うまでもなく大切なこと。
逆に、自分自身の専門性は自分自身が主張しなければならないということも言えてきます。
しっかりと着地点を見極めて連携を取っていくことこそが、多職種連携がうまくいくためのコツとなります。
最後に
多職種連携って、実は他の業界や業種でも普通にやっていて、この連携こそがお互いの仕事の効率を高め、生産性の向上にもつながるわけです。
医療・介護の分野において、それぞれの専門性が高いがゆえに、その連携効果は相当なアウトプットとなるというのが理想像です。
そのためにも、軸となるコミュニケーションをしっかりと密にとりつつ、その内容や手法に工夫が施されている必要があることは明確と言えます。
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