【研修サンプル動画】効果的なOJTを実施するための指導法

  • 2024/08/19
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

よく企業さまに伺って人材育成の手法をお聞きすると、「全てOJTでやっている」と言われることが多いです。

ではOJTってどんな計画をもって、何を目的に、どれくらいの期間でやっているのか気になるところですね。

今回は、効果的なOJTのためにどのようなことを指導者側として意識するべきかを綴りたいと思います。

人材育成に必要な「動機付け」

まず、人材育成をする上で、技術やスキルを身につけることは当然の目的になるかもしれません。

しかし、忘れてはいけないことは育成対象者の「ウィル」を向上させるということです。

上図にある通り、人材育成には「スキル」(=技術・知識など)と「ウィル」(=モチベーション・やる気など)の両側面を育成する視点が必要です。

では、「ウィル」はどのように向上させることが良いとされるのでしょうか。

人間の「動機」というものは、ハード側面(給与・賞与など)とソフト側面(承認・達成感など)の2つの側面があります。

この「ハード側面」を「衛生要因」、ソフト側面を「動機付け要因」と言いますが、実は衛生要因というものは、改善しなければモチベーションは下がりますが、改善したとてモチベーションの向上には天井効果があるとされています。

一方、動機付け要因は改善すればするほど満足度は向上し、天井効果はないものとされています。

給料を上げる、臨時ボーナスを提供する、というのは、ある一定までは動機付けになりますが、それ以上に「従業員を褒める」「承認する」などの動機付け要因に着目することの方が効果は大きいということになります。

スキルを伝えるための「言語化」

では「人材育成」をするに当たり、以下のようなシーンを想定してみて下さい。

育成対象者(後輩)はこれで成果を残すことができるでしょうか?

これは、スキルが「個人」に属している、いわば「属人化」している状態と言えます。

仮にこの先輩営業マンが退職したり、体調を崩して長期休職といった事態に陥った場合、誰がカバーすることができるでしょうか?

人材育成をする上で、大切なことは「自身の成功や成果、失敗などから『学び』に変換して、組織の学びとしていくこと」にあります。

それが、「ナレッジマネジメント」という考え方です。

これを実現させるためには、誰もが同じ理解をもつことができるように「言語化」させることが必要になってきます。

以下のスライドを見てみましょう。

人間は経験したことから、「内省的観察」(=学んだことを振り返る)というプロエスを経て、「抽象的概念化」(=学んだことを一般化させる)に繋げていくサイクルを辿ります。

そしてまた別のシーンで実践して(能動的実験)身につけていくという流れを取ります。

つまり、経験したことを「内省的観察」というプロセスで「学びを振り返る」ことをしなければ「学び」にならず、ただ経験して終わり、ということになってしまうわけですね。

具体的なOJT計画の立案

では、具体的にどのようにOJTを計画していくべきかについてみていきましょう。

計画立案についても手法があります。

計画立案において大切なことは、「3か月後にはこうなっている」、「半年後にはこうなっている」、「そして1年後にはこうなっている」という、積み上げ方式(=フォアキャスト型)ではなく、「1年後にはこうなっていたい」、「そうすると半年後にはここまでいっていたい」、「だとすると3か月後にはここまで必要」という、未来からの逆算方式(=バックキャスト型)で立案することです。

そして具体的な計画立案例は以下の通りです。

評価の仕方

OJT計画を立案したら、大切なことは「成長を実感させる」ということにあります。

そのためには、必ずフィードバックが必要です。

人材育成における評価は何かしらの基準を設けることが大切ですが、機械的にあてはめて点数をつけていくのではなく、しっかりとした「コメント」を伝えてあげましょう。

評価コメントには、上図の通り、3点の留意点を押さえておくと良いでしょう。

「事実ベースで伝える」

「出来たことへの賞賛」

「次なる課題を期待として明記」

いずれにしても、育成対象者に「期待している」という思いで記載することが大切ですね!

最後に

企業や組織における経営資源は、「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つに分けられます。

しかし、全ての源泉となる経営資源は「ヒト」に紐付いてきます。

人材育成を怠る企業や組織には未来はないと言えるでしょう。

OJTを効果的に実施するために、是非参考にしてみて下さい!

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