【新研修コンテン】「提案型」の営業手法について

  • 2024/08/25
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

営業には一般的には「受注型」の営業と、「能動型」の営業の2つに分けられます。

「受注型」というのはお客さんから問い合わせがきて始めて対応し始める営業スタイル。

「能動型」というのは営業担当者が自ら売出しにいって、顧客ニーズに応じて提案をしていく営業スタイル。

今回のテーマは営業の中でも、後者をテーマとしています。

これは、広い意味で「コミュニケーション」のあり方にも繋がりますので参考にしてみて下さい。

営業スタイルの変遷

実はそれぞれの時代の変遷に伴って、営業のあり方も変わってきています。

マーケティングの考え方からすると、営業の在り方が変わってきた背景には、顧客が求める考え方が変わってきたということが言えます。

まずはこの流れを見ていきましょう。

日本のかつての過去を思い返してみましょう。

日本に限らずかもしれませんが、スマホなんて便利なものは存在していませんでした。

そもそもモノが少ない時代において、新しいモノを作れば売れるという時代があったのでした。

それが「生産志向」の時代と呼ばれる時代です。

モノが不足していた時代において、新しいモノが開発されると人々はすぐに注目していましたし、その点、売れるスピードも速かったと言えます。

この時代に営業担当をしていた人は、そこまで苦労せずに売ることができたでしょう。

なぜなら世の中の皆が困っていたからです。

しかし、そこからある程度モノに溢れ始め、今度は顧客のモノに対する満足度が上がり始めたという時期を迎えます。

これが「販売志向」の時代と呼ばれ、「差別化」が売れる要因と言われる時代となったわけです。

すなわち、営業マンとしても営業スタイルに差別化が求められ始め、「他よりもあの営業マンはよく働く」「他と比べてあの営業マンはよく訪問してくれる」というのが差別化要因と言われました。

それが俗にいう「SOV(=Share of voice)」という、営業を「数的・量的施策」で闘う時代だったと言えます。

訪問回数がモノを言う、顧客が最も耳にするモノが差別化される、という時代。

この時代の営業マンは、まさにスポ根スタイルで「働く時間」の量が勝負の軸。

しかし、この辺りからモノに溢れ始め、消費者はモノを「選ぶ」という時代に入り始めました。

同時に営業マンのことも、「数」や「量」ではなく「質」で差別化され始めたわけです。

そして今や「顧客のため」にとどまる時代ではなくなってきています。

「社会のため」「地球のため」など、世の中にとってどれだけためになるかという視点で企業をみる時代になってきたのです。

すなわち、営業マンとしても「社会のため」「世の中のため」という視点で評価されるようになったと言えます。

営業のスタイルもかつてから大きく変わってきたと言えるでしょう。

顧客志向とは?

「顧客志向に即して」とよく言われますが、そもそも顧客志向って何だ?って話です。

皆さんが何かモノを購入しようとした時に、先ほどの時代の変遷を経た今、「目で見たら欲しいと思う」という感情はそこまで生まれ得ないのではないでしょうか。

つまり、それほど消費者の立場で困っていない、という時代に入ったと言えます。

それでも消費者はモノをなぜ購入するのか?というと、よりよくなりたいという欲求があるからなのです。

しかし、実際に「購入する」という段階に至るまで、人間の思考はプロセスをたどると言われています。

それが以下の図です。

今の時代はモノに溢れる時代ですので、「注意」や「関心」時代が昔ほど簡単に得られなくなり始めているわけです。

要は、営業マンとしては顧客がどの段階の思考状態にあるかをしっかりと把握した上でプロモーションをしていかなければ、もはや相手にされないということになります。

出来る営業は「話す営業」より「聴く営業」

私が製薬企業に入社した約20年近く前は、社内で「顧客ニーズ」という言葉を聞いたことがありませんでした。

今はもはや「当たり前用語」でもありますね。

この「顧客ニーズ」っていうのは、いかにお客さんの話を聴くことができるかというスキルによります。

以前は「売り出しトーク」が求められる時代でした。

今は、「お客さんの声を聴くことができる」というスキルが求められる時代です。

誰しも、話を聴いてもらいたいという欲求ってありますよね。

それは顧客全員が人間としてもっている当然の欲求でもあります。

「聴く」ことから膨らませる仮説思考

聴くことができたら、そこから思考の広がりが求められます。

ここで大切なのが、顧客のふとした発言。

ここまでしっかりと聴けているかが重要なポイントです。

上図を見てみましょう。

「維持費が高い」という発言をポロっとした顧客。

当然、「維持費は安い方が良い」という思いであることは理解できます。

しかし、そこからちょっと深堀してみると色々そ想像することができます。

浮いたお金でどんなことに使いたいと思っているか?

そっちに投資することでどんな良いことが生まれるのか?などなど。

今や営業マンの提案は、商品・サービスを提案する前に、実は相手の「新しい人生」を低何していると言っても過言ではないですね。

最後に

時代の流れを見てみると、色んな営業スタイルの流れと、消費者側の志向の変遷が分かりますね。

一言でいうと、お客さんが求めるモノ、というのは時代を経て少しずつある意味レベルが上がっていっていると言えるでしょう。

それはある意味自然現象でもあり、分からんでもないのですが営業と言う視点でみると、それに即していく必要があります。

提案型という営業スタイルは、これらを理解した上でなければ、提案しても受け入れてもらえません。

是非参考にして頂き、コミュニケーションの一貫としても活用してみても良いかと思います。

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