【管理職研修】「職場のリーダーに求められる統率力の向上」について

  • 2024/11/02
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

今年は非常に研修登壇のご依頼をお受けしており、本業としての活動がかなり広がりつつあります。

リピートのご依頼も多く、特に「論理的思考」関連、「営業マーケティング」関連、「リーダーシップ」関連については、ありがたいことに関西地域のみならず、中四国、九州からもご依頼をお受けすることが増えてきました。

今回は某企業様にて、2日間研修で表題の研修を行いましたので、綴りたいと思います。

なぜ管理職研修が多いのか

さて、昨今企業の管理職研修が非常に増えています。

私も一般従業員の方というよりは、ほぼ中間管理職の方、管理職に就任されたばかりの方などが受講いただく研修にお招きいただくことがほとんどです。

それはなぜでしょうか。

そこには今の日本全体として課題とされている「人材」という点にあると考えられます。

中小企業白書によると、日本の中小企業は規模や業種に関わらず、経営において最も課題としているのが「人材」と答える企業が半数を超えているという点にあります。

私も前職の製薬企業で「『人材育成をする人材』を育成せねば」とよく言われていました。

人間は100人いれば100通りのキャラクターが存在していて、育成というのは一筋縄に行くものではありません。

しかし、ある程度の「共通項」というものは存在しています。

その理論的な点をおさえながら、具体的な職場の事例を取り上げて実践に結び付けるというのが私の研修スタイルです。

企業の経営資源は「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という4つの軸に纏められると言われます。

しかし、全て並列なのかというとそうではないのです。

上図の通り、全ては「ヒト」から生み出されているということ。

だからこそ、「人材」は最近では「人財」と表現されることが多いのです。

「リーダー」のタイプ

ところで、「リーダー」には色々なタイプが存在しているかと思いますが、極端に言うと2つのパターンに別ることに気が付きませんか。

ひとつは、ものすごく仕事ができるけど、周囲からとっつきにくいと思われるタイプ。

もうひとつは、ものすごく優しくて面倒見が良い一方、全然仕事ができないタイプ。

このように、リーダーを評価する大きな軸は「仕事系」と「人間系」の2つの軸に分けられます。

そして、それが「リーダーシップのPM理論」と呼ばれるものです。

リーダーには「仕事系」で表現される「目標達成機能」と、「人間系」で表現される「集団維持機能」の2つの機能が求められています。

当然、両方兼ね備えることが最も重要ではあり、偏りすぎると宜しくありません。

そして私の研修では、基本的に「集団維持機能」(=M機能)をいかにして高めるか、の理由と手法を特にお伝えしております。

部下のタイプは2パターン

今までリーダーのタイプについて述べてきました。

ここから「部下」のタイプについての考えを示したいと思います。

大きく言うと、部下は2パターンに別れると私は思っています。

それがこちら。

管理職をずっとやってきて思うことは、部下には2つのパターンが存在しているということ。

ひとつは「許可」を求めてくるタイプです。

これは、既に自分の中でやるべきことや期日を全て決めて、行動の内容も全てイメージが出来上がっており、あとは上長に許可さえもらえれば動き出せるという状態をつくりあげているタイプです。

そしてもうひとつは「答え」を求めてくるタイプです。

比較的若年層に多いと想定しますが、これは許可以前に、何をやったら良いか自分で考えていないか、または考えが及ばず、管理職に「どうしたら良いか」の「答え」を求めてくるタイプです。

それぞれのタイプによって、管理職の指導の仕方は大きく変わってきますので、まずは部下のタイプがどちらのタイプかを見極めてみて下さい。

「ティーチング」と「コーチング」

上記の「部下のタイプ」によって、管理職の指導方法は変わってきます。

これが「通り一遍等」に指導というものが進められない、また面白さでもあったりします。

「答えを求めてくるタイプ」に対して、いつまでも答えを与え続けることが、本当にその部下にとっての育成に繋がっているでしょうか。

場合によっては、部下から「この人に聞いたら何でも教えてもらえる」とありがたく感じられるかもしれませんが、実は部下自身が自ら考える習慣を奪っていることにも繋がります。

ここで登場する効果的な指導法が「コーチング」ということになります。

前提として、「コーチング」というのは相手の頭の中に答えが存在しているということを念頭に置くことです。

気が付いていない答えに、誘導させていくことで、自分自身で答えを導き出し、納得度も大きく挙げられるという効果があるとされています。

ちなみに、私が管理職をやっていたころは相当コーチング手法を駆使しており、「どうしたら良いですか?」という質問には、基本的に「自分ではどう思ってる?」を100%返していました。

時として「この上司は答えをそれなりに用意していかないと跳ね返される」と思われたことも多々あったかと思います。

しかし、その結果、当時の職場から「どうしたら良いですか」という質問をしてくる人がいなくなり、全員が自分で考えて動く人材に変わっていったのを体感しています。

ティーチングに比べて、コーチングは育成上相当の時間がかかりますが、中長期的に考えて相当なる効果があるので実践してみることをお勧めします。

最後に

私が社会人になりたての2000年初期くらいにおいては、「スポ根指導」が当たり前でした。

決して今の時代に合っている指導ではないことは明確です。

いかに部下を大切に思うか、それを言葉に出して、身体で表現することができるかが、職場のリーダーたる者が最も求められる要素だと言えます。

「統率力」も声が大きければ生まれるものでもありません。

その要素は果たして何なのか?

是非一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

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