【人材育成】「能力開発とキャリア形成」について

  • 2024/04/14
  • 経営関連

こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

今も昔も、経営資源の中の「ヒト・モノ・カネ・情報」の中でも、最大限に重宝されるべきは「ヒト」であると言われています。

政府からも「リスキリング」という概念が提唱されている通り、「ヒト」という経営資源を最大限に伸ばしていくこと、更には「広げていく」ことが重要視されています。

企業において、また人生においてどのようなキャリア展開をイメージしていけはよいでしょうか?

本日は、人材育成における「能力開発とキャリア形成」について綴りたいと思います。

なお、こちらの内容は企業に属している人のキャリアアップのみならず、今後転職や独立を検討されている方にも該当する内容としてご覧いただければと思います。

能力開発の手段には3パターンある

ヒトという経営資源をいかに最大限その能力を発揮させるか、そこには「仕組み」が必要となります。

長期視点で考えた時に、蓄積していく能力や知識、スキルは必ず働く上で、そして生きていく上で財産となり、企業や社会の発展に生かされます。

では、その能力を伸ばす手段にはどのようなパターンがあるのでしょうか。

能力開発には大きく以下の3つのパターンがあります。

一つ目が「OJT」(On the Job Traning)です。

こちらは、業務にあたりながら知識やスキルを身につけていくという、最も横道な学び方です。

多くの中小企業、大企業でもOJTは欠かせませんし、実践あって初めて身についていくものでもあります。

OJTはベースにおいて、次に用いられる手段が「Off- JT」です。

こちらはいわゆる「研修」や「ワークショップ」と呼ばれる、通常の業務とは別に学ぶ機会を設けるものです。

最後に、「SD」(Self-Development)です。

仕事上がりに自ら資格を取得しに勉強しに行ったり、勉強会を自ら企画して運用したり、誰から強いられるわけでもありませんが、自主的に学ぶ機会を自ら設けて学ぶという手段です。

最も効果的なのは、それぞれを別個にやるのではなく、OJTにOff-JTとSDを組み合わせて、自らの「ありたい姿」に向かって学び続けることと言えます。

昨今の企業におけるキャリア形成の考え方

さて、企業は今の時代、どのようなキャリア形成を考えているのでしょうか。

かつては、一つの業務や部署でとことん専門性を磨いて、つきつめていくというキャリアが「正解」とされていました。

しかし、昨今はそのような考え方から少し変わってきていると言えます。

上記は、「キャリアコーン」と呼ばれる、将来キャリアを考える上で「多角的な視点で考える」という軸をベースとして描かれたモデルです。

「どの分野で」「どの職位で」「どの道筋で」の3つの視点でキャリアを考えていくことが今の時代では求められています。

特に「どの道筋で」という点が、かつてはなかった視点と言えます。

製造分野で特筆したスキルを身につけた人は、そのまま製造部門で昇格・昇進して会社人生を全うする、ということだけが全てではないということになります。

実は、これは人生においても同じことが言えると思っています。

このキャリアコーンが「社会全体」だとしましょう。

一つの会社で仕事を続けることだけが、すべてではないという考え方に広げることができます。

皆さんが、自身の人生ビジョンを考えた時に、「どうありたいか?」次第で「どの道筋で」は変わってきますし、その道筋は一本である必要もないわけです。

少し広い視野で自分のキャリアビジョンを描いていくと、既成概念から離れた新しい視点が見えてきて、仕事というものを考え直すきっかけになるかもしれません。

近年の「個の成長」の方向性の変化

先ほど申し上げました通り、かつては「キャリア形成」を考える上で「どの道筋で」という視点は、今ほどフォーカスされておらず、薄いものでした。

なぜなら、一つの道で真っすぐ昇格昇進していくことが「正」であったからです。

しかし、昨今は大きく変わってきています。

マネジメントの重要性という考え方が昨今では比較的重要視されてきています。

この「マネジメント」というのは、実は学びの骨格は、どの分野においても同じことが言えます。

従って、昨今の人材育成の方向性としては、個の成長は「組織の成長」に視点が移りつつあります。

個人の目標達成が果たされれば終わりという、個人商店的な考え方は今では古いと言えるでしょう。

組織目標の達成に向けて、個の成長があるものと考えることが主流になりつつあります。

さらには、「自社の管理職を育てる」と言う視点から、「次世代の経営者の育成」という視点が生まれていっています。

私がいた前職の会社でも同様のことが言えました。

管理職研修というOff-JTごとに、経営学の内容が取り入れられたりすることもありました。

ちなみに私も研修講師をやる機会が多いですが、この手の「経営思考」をテーマとした研修のご依頼は非常に多くなってきています。

先ほどの、組織目標の達成という考え方の、「組織」というのが、もはや「自社」という枠まで広げた視点で考えましょうということになります。

最後に

さて、みなさんはご自身のキャリアビジョンを整理してみたことがありますか?

自社において、そして「人生において」の2つの視点で考えることが大切です。

「人生において、自分のありたい姿は何だろう」

「それは自社で叶えられることだろうか」

「逆に自社だから叶うのであろうか」

「自分の能力は、自社を飛び出したら活かされるのであろうか」

「会社の看板を除いてみたら、自分の存在は社会に評価されるのであろうか」

これらをひとつひとつ考えていく中で、ご自身のキャリアを明確に描いていくと良いかもしれません。

明るい未来は誰から与えてもらうわけでもなく、自分自身で切り開いていくものです!

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