こんにちは、中小企業診断士の諸岡です。

ここ数日「顧客心理をつかむマーケティング手法」のシリーズを記載しておりますが、本日は「ザイガニック効果」について。

これは俗にいう「ちょい見せ」というやつです。

興味をそそる内容をちょこっとだけ見せて「続きはWebで」と、興味をそそらせて重要な内容はググってもらうというプロモーション手法です。

これはよく漫画本や推理小説なんかでも用いられる手法です。

「ちょっとちょっと、ここで終わるの？」

「続きが気になる！」

こんな気持ちでまさかの止めてしまうという作戦です。

本日はこの「ザイガニック効果」について綴りたいと思います。

ザイガニック効果とは

皆さんは普段のお仕事で、「やりあげた仕事」と「途中で中断させている仕事」と、どちらが頭の中で「気になるもの」として残りますか？

当然、「途中で中断させている仕事」の方が気になるでしょう。

これは、「達成してやり遂げた出来事よりも、達成できていない事柄や中断された物事のほうがより強く記憶に残り、気になってしまう心理的な現象」として、人間がもつ心理状態なのです。

テレビでドラマを見ていると、第1話の終わりらへんは、だいたい「え？次どうなるの？？」と思わされるシーンで終わったりしますよね。

これはまさにザイガニック効果につられてしまっている状態です。

そして第2話が気になって仕方がない…、結果翌週も見てしまう、というマーケティング手法なのです。

漫画本にもザイガニック効果を駆使した構成が多く見られます。

ページのまたぎ目あたりがだいたいそれにあたりますね。

浦沢直樹氏の漫画本はこれがすごい！！（「20世紀少年」「モンスター」など）

一度読んでみて下さい！

マーケティングにおける活用事例

マーケティングにおいても「ザイガニック効果」をうまく活用した宣伝手法が多く見られます。

不完全な状態をチラ見させておいて、完成状態に興味をそそらせて「続きはＷｅｂで」など。

店舗販売などでも用いらているシーンを見かけます。

■　「詳しくは店員へ」

■　「私もずっと悩んでいました。これに出会うまでは…」

■　「99%の人がリピートしてくれています」

なになに？？と思わされますよね。

完成状態や成し遂げられた状態、その商品・サービスの詳細が分からない状態で、顧客の目線や興味を集めるプロモーション手法として活用されています。

ハリウッド映画の宣伝でこんな文言をよく見かけませんか？

「全米が泣いた」

これだけで「感動する映画なんだ」ということが分かりますし、中身も気になるところ。

これはまさに未完成の「触り」の部分だけを示したプロモーション手法と言えます。

ザイガニック効果の心理学的背景

「ザイガニック効果」というのは、1920年代に心理学者ブラウマ・ゼーガルニクによって初めて提唱されたものと言われています。

人は未完成なタスクの方が、完成されたタスクよりも記憶に残りやすいということを証明したものでした。

つまり、マーケティングにおいては、「未完成な状態」に対して買手の「認知的不協和」をあえて生み出させ、「自ら調べる」という行動に仕向けているものとして活用されていると言えるでしょう。

研修セミナーでの活用手法

私自身、中小企業での管理職研修や新入社員研修の講師をさせて頂く機会が多いですが、研修のスライドやストーリーを構成する上で、結構この「ザイガニック効果」は活用しています。

よくあるのが、重要な結論を突飛押しもない文言で提示して、「何？！」と思わせる手法です。

例えば、よくあるやり方でもありますが、こんなスライドを創ったりします。

だいたいの受講生は「？？？」と目線が一気に集まります。

ということで、こちらの答えは「続きはこちらへ」。

↓↓↓

またはこのようなスライドを作ったりもします。

こちらも「なに？？」ってなりますよね。

こちらもすみません、「続きはこちらへ」。

↓↓↓

研修セミナーのスライド構成やストーリー内容においても、このザイガニック効果は大いに活用できますので、是非とも活用してみると受講生の姿勢も変わってきますので試してみて下さい。

「言葉」のもつ力

マーケティングにおいて様々な販売手法や販売ルート、宣伝広告など、工夫がなされています。

そのような中で、「言葉」がもつ力は最もコストがかからず、24時間365日働いてくれる優れものです。

ザイガニック効果というものも、顧客の心理をついたプロモーション手法のひとつです。

宣伝媒体を考えるのももちろん大切ですが、宣伝手法に拘りを持つことは非常に大切です。

ザイガニック効果を是非とも活用して、顧客に興味をもってもらうプロモーションを是非実践してみて下さい。

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